1歳ごろ、言語発達にきわめて重要な出来事が生じます。
”指差し行動の出現”
子どもの指差しは1歳半健診の項目にあり、まさにコミュニケーションが育っていく上では大切な表出手段になってきます。
調度これくらいの時期に「あっ!」と言ってやたらと指をさします。
なかなか指差しをしなかったり、指差ししたことが「あれかな?」と思っても違っていたりすることありませんか?
実はこの指差し、一つとってもたくさんの意味が潜んでいます。
この指差しの成長段階、意味が汲み取れると次の発達段階へと促しやすく、「うちの子成長したなー」とますますやりとりが楽しくなるでしょう。
【結論】
指差しの意味は大きく分けてこの5つ
①興味・驚き・再任
②要求
③交流・叙述
④質問
⑤応答
この順番に出現し発達していきます。
【解説】
では一つ一つ解説していきたいと思います。
指差しにも発達の過程があります。
それがわかっていると子どもの気持ちが汲み取りやすくなります。
①興味・驚き・再任:
最初期の指差しです。
興味を引くもの、よく知っているものがあった時に指をさします。
例えば:お母さん、お父さん、兄弟
ワンワン、葉っぱ、ブーブー、絵本の絵等々
大人への伝達意図は明確でない時期です。
世界の中心は自分です。自分で発見し、驚き、こんなもの知っている!と再確認しています。
②要求:
取ってほしい物、行きたい方向を指さします。
明確な要求の表出手段としては最初に獲得するものです。
棚の上にあるバナナを指さしたり、抱っこした時に行きたい方向を指さしたりよくありますね。
”手差し”→”指差し”へと変化したものと言われています。
手を伸ばして直接取ろうとしたが届かず、だけどその手の先にあるもの、自分の要求を誰かに伝いたい!
こういった思いと、”指差し”という手の形の分化も見られ、方向を示すことで遠くにあるものを間接的に伝える手段を獲得するのです。
③交流・叙述:
興味のあるものを大人に知らせます。
①と似ていますね。この段階では明確に大人に伝えたいという意図があります。
例えば指を指した後に大人の顔を見る、大人が何か反応するまで延々と同じことを繰り返すといったことで見られます。
より知らせたい!という子どもの思いはは自我の芽生えと共に育っていきます。
④質問:
「これなあに?」問いかけるように絵本の絵を指さす
この段階ではまさに大人の応答を待っています。
「ワンワンだね」「ごはんだね」
こうやって応えることで子どもは嬉しかったり、安心したりする気持ちになります。
⑤応答:
「〇〇はどれ?」大人の問いに応じて指をさします。
この段階になるとまさにコミュニケーションのキャッチボールが成立しますね。
子どもが指さしたもの名前も言葉で添えるようにしていくと物+言葉がマッチしていきます。
絵本の中、家の中で”知っているもの”をたくさん見つける、又は外遊びの中で”新しいもの”の発見をたくさんすることで興味関心が広がります。
指差しの対象はますます増え、活発になっていくでしょう。
①が最も早くすぐに②③が出現し、その後④と⑤が活性化していきます。
こうして指差し行動の完成です。
お子さんの指さしの意味。
考えてみるとなかなか奥深いかもしれませんね。