子どもの発達を促したい!
いろんなことにすぐイライラするなー…
なんだかよく転んだり、不器用だなー…
そう思った時に欠かせない視点が子どもが外から感じる”体の感覚情報”です。
感覚…?
感覚ってどんなものがあるの?
なかなか聞きなれない言葉かなと思いますが、実は我々みんな、この”体で感じる感覚情報”を基に行動をしています。
そもそも私たちは自分の外の環境(どんな所にいて、何をしているか)を知るために感覚情報は必要不可欠なのです!
例えば…
「まぶしい時にはサングラスで快適に」
「赤ちゃんが子守唄で眠る」
「ふわふわの毛布が好き」
「抱っこされると落ち着く」
「スリルが気持ちいいからジェットコースターに乗る」
ほかにもたくさんありますが、これらの行動全て体の感覚情報が基になって行動を起こしています。
では実際に体の感覚にどんなものが存在するのか解説していきます。
【結論】
①視覚
②聴覚
③触覚
④固有受容感覚
⑤前庭感覚
ほかにも味覚、嗅覚、痛覚などありますが、体で感じる感覚で主となるのはこの5つの感覚です。
【解説】
①視覚:目で見てわかるもの
光や暗闇、色彩など。
外から受け取る情報の割合としてはとても大きく、視覚(見た目)に左右されることも多いです。
例えば…レストランのメニューを見て唾液が増える
食べてもいないし、匂いを嗅いだわけでもなく、でも見た目で美味しいがわかると思います。
また食わず嫌いってありますよね。これは視覚の影響が大いに絡んでいます。
②聴覚:耳で聞いてわかるもの
踏切や掃除機などの大きな音
鳥のさえずりやそよ風などの小さな音
大勢人がいる中で話し相手の声だけ聞き分けるなど
その時に応じて聴き方を脳内で変換しています。
脳内での変換がうまく行われていないとこれら全部の聴覚が一律に聞こえてしまうと
必要な情報を聞き取れない
苦手な音があって耳をふさぐ
といった様子にも現れてきます。
③触覚:皮膚で触って感じるもの
温かい、冷たい、ご飯のベタベタ
砂のざらざら、毛布のふわふわ等
触覚は覚醒の状態や、情緒面にも影響すると言われています。
ちくちくした服のタグや生地、一度気になると落ち着かなくなったり、嫌悪感と抱いたりますよね。
お子さんの中には服がちょっと濡れたり、手が汚れたりするだけで嫌がる子もいます。
逆にふわふわした触り心地の良い毛布は安心し、眠りを誘います。
④固有受容感覚:筋肉を使うときや関節の曲げ伸ばしで感じるもの
お母さんに抱っこでぎゅっとされる
スーパーでキャベツの重さ比べる
牛乳を注ぐときの力加減など
固有受容感覚は情緒面、体の操作に影響を与えています。
情緒面としては主に感情の安定、沈静に役立ちます。
抱っこでお子さんって安心したり、大人も好きな人にハグされると好意的な感情を持ちます。
また中には重い布団の方が気持ちいい、リュックを背負っていると何だか落ち着くといった方もいます。
体の操作としては「視覚に頼らない操作」で力を発揮します。
見た目は変わらないキャベツの重さを比べる
お友達にねぇねぇと肩をとんとんするときの力加減
牛乳をすすぐときの力の入れ方
お盆を運ぶ時の傾きの感じ方等…
普段意識はされないけど固有受容感覚は日常のたくさんの場面で力を発揮しています。
うまく発揮できていないと友達とのやりとりのトラブルになる、物を落とす、良く転ぶ、物を雑に扱う、筆圧が濃すぎる等いろんな場面に作用します。
⑤前庭感覚:耳の三半規管で感じるもの、頭の位置や動きを感じるもの
コーヒーカップで回転
坂を走り降りる加速
ブランコで揺れる
この前庭感覚がたまらなく好きな子、前庭感覚を求めてずっと動いている子、ブランコをちょっと押しただけでも嫌がる子、いろんなお子さんがいます。
体の面としては転んだ時にぱっと手が出る、椅子にまっすぐ座れているといった場面でこの力が役立っています。
覚醒の状態にも左右します。
例えばゆっくり揺れるハンモックは眠りを誘い、ジェットコースターや高い高いは興奮して覚醒します。
普段なかなか意識して感じることは少ないと思いますが、この5つの感覚がそれぞれ働き、組み合わさって普段お生活を送ることができているのです。
【困ったときの対策:今回は簡単に】
5つの感覚の中で苦手なもの、好きなもの、その子によって様々な現れ方があります。
苦手なものに関しては基本的には避けることが大事です。
嫌な踏切の音、怖いブランコ繰り返しやって慣れさせることは逆効果。
慣れるのではなく、受け入れられる方法を考えることが大切です。
踏切の音:いつ始まって、いつ終わるのかそれがわかると我慢の見通しがついて受け入れられます。
ブランコ:「少し押すよ」とどれくらいの力でいつ押すのかを伝える、また自分でこげるようになると受け入れられます。
”される準備”または”する構え”ができると楽しめるようになっていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
詳しい対応方法については別の回でご紹介していきます。