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ひらがなが書けるようになるには?!文字を書くために必要な体の力

4歳から6歳くらいになると子どもがよく見る単語を読みは始めたり、名前が書けるようになったり嬉しい成長が見られます。

「うちの子は読めないなー」

「やらせようとしても書きたがらないな」

どうしても他の子どもと比べてしまう時期でもあります。

しかし実際には読み書きには個人差が大きいもの。

就学前の時期では文字が読める、書けることよりも文字を習得するために必要な力、読み書きの土台となる力を育てることが最も大切です。

 

今回は”文字を書くための体の力”について解説していきます。

 

【結論】

・眼球運動

・手の操作

・姿勢のコントロール

 

これらの要素が密接に関係しているので細かく説明していきます。

最後に上達のポイントをお伝えします。

 

 

 

【解説】

・眼球運動

眼球運動の細かな機能としては3種類あります。

 

固視:モノに注目する

追従性眼球運動:動く物を目で追い続ける

衝動性眼球運動:離れたものへ見る対象をパッと移す

 

ではどんな時にこの眼球運動が必要になってくるのか、みていきましょう。

 

初めて文字を書く時には2つのパターンがあるかと思います。

 

①下書きをなぞる

なぞる線の上に鉛筆の先がついていることを確認し(固視)

動かしている鉛筆の先が線の上からずれていないか(追従性眼球運動)

常にチェックする作業が行われています。

 

②見本「みかん」を見て、手元の紙に同じ文字を書く

見本となる文字を見る(固視)

「み・か・ん」と一文字ずつ確認する(追従性眼球運動)

手元に書いた文字と見本を確認して見比べる(衝動性眼球運動)

 

瞬時に必要な眼球運動に切り替え力を発揮しています。

 

 

・手の操作

文字は細かな線がいくつも重なって成り立っています。

くわえて線の長さ、向き、カーブも決まっているため、鉛筆で文字を書くためには自由に絵を描く時よりも繊細な手の操作が必要になってきます。

 

まず始めに確認したいことは鉛筆をペン持ち(三指握り)で持てているかどうか。

グー握りで鉛筆を持っていると大人でも手の操作として文字を書くことがとても難しいです。

 

次にペン持ちで書いている際に手の小指側が紙についていますか?

これも重要なポイントです。

 

 

 

 

上の写真ではペン持ちで小指側がしっかり机についています。

手の小指側が浮いていると鉛筆の操作は肘・肩が中心の動きになってしまい、鉛筆の先が安定せず線を止めたり、曲げたり細かな操作が難しくなります。

 

試しにやってみましょう!きっと難しさが実感できるはずです。

 

 

・姿勢のコントロール

目と手は体の先端にあります。

子どもの発達には”中心から末端”に成長していくという発達の原則があります。

 

座っている姿勢がふらふらなのに物をしっかり見ること

手を細かく操作することを求められても難しいですよね。

 

目や手の体の先端部分を自由自在に操るためにはしっかりとした体の土台が必要となります。

 

 

 

<上達のポイント>

①身体をしっかり支える遊び、全身を使う遊びをたくさんしよう

外なら:ブランコ、滑り台、アスレチック、鉄棒、お散歩等

家の中なら:抱っこやおんぶで何秒しがみつけるかな?

親子でお相撲ごっこ

大人の体をよじ登っておんぶや肩車を楽しむ

 

未就学~小学校低学年は最も脳神経が発達する児期。

全身を使って学ぶことがまだまだ多いのでたくさん粗大遊びをしましょう。

机に向かってずっと座らせるなんてもったいない!

 

②眼球運動

・ボールやビー玉転がし、キャッチボール

・絵本で、部屋の中、お店、公園で○○探し  例:『犬はどこだ?』

・車の中から○○色の車探し

 

子どもの興味あるものを探してやってみよう。

 

 

もしもし見本を見て文字を移すなら

・見本をできるだけシンプルに

(情報量が多すぎるとどこに注目するかわかりにくい。大人が指を差してみる所を教えてもOK)

・できるだけ見本を近くに置こう

(見比べる距離を短くする)

・左右で見比べるよりも上下で見比べる方が簡単

(脳機能の働きを考えると左右で見比べることは難易度が高い)

 

 

 

③手の操作

グー握りで鉛筆を持っている時

・文字を書くよりも絵をかいたりイメージを表現することを大切にしよう

・親指、人差し指、中指でつまみ様な遊びをやってみよう

(小さなお菓子を食べる、紐通し、粘土、洗濯ばさみ、紙ちぎりなど)

 

過去に記事にも詳しく解説しています。

 

手先が器用になるおすすめの遊び12選子どもの手先が器用だと日常生活の食べ方や着替えなどのボタン・チャックが自分で出来るようになったり、折り紙、お絵かき、文字を書いたり上手に...

 

 

ペン持ち(三指握り)で持っているけど手の小指側がつかない時

・タオルをたたんで隙間をうめてみると書くための手元が安定する

・小さなマスではなく、大きめの紙に書く

(肘、肩の動きがメインなので大きく文字を書いてまずは形を覚えよう)

・あえて小さな紙に書いてみる(4センチ四方)

(小さく書く意識が強調されることによって手の操作が変化するかも)

 

 

文字を書くためには背景となる力が沢山あり、その力を同時に発揮して文字を書いています。

焦らずどんな力を伸ばしていくと良いのかなと子どもの難しいと感じているところの背景を理解することが一番の近道です。

 

ぜひ参考になれば嬉しいです。

 

 

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子どもの遊び・日常生活(食事、着替え、トイレ、社会参加)、学習(読むこと、書くこと)のプロフェッショナルが解説!子どもの行動にどんな背景が潜んでいるのか、どんな方法で育ち、発達していくのか? 1000名以上のお子さんから学ばせていただいたことをお伝えしていきます。